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久保 真二 フォトグラファー

雑誌、広告、インタビュー、企業、ホテル、料理、店舗、音楽、演劇、舞踏、アーティスト、ウェディング、連載、エッセイ、風景など様々な写真撮影で活動。東京都内で撮影を行うとともに現在は拠点とする千葉県柏市にて地域コミュニティや風景撮影にも熱心に取り組む。NPS会員。フォトマスター検定1級 EX「総合」所有。 http://www.shinjikubo-no91.com/

プロカメラマンから教わる実践テクニック「vol.1 湯気の撮影方法」

time 2016/12/22

プロカメラマンから教わる実践テクニック「vol.1 湯気の撮影方法」
~まずはじめに~

はじめまして!食器プロの渡辺です。皆様には、日頃より当サイトをご利用頂きまして、誠にありがとうございます。最近は飲食店のPR手法として、インスタグラムやFacebookなど”SNSによる画像発信”を使うことも増えてきたのではないでしょうか?しかしながら、料理は上手にできても、写真はなかなか上手に撮れない、、、という飲食店の店長さん、調理長さんも多いと思います。 

そこで「飲食店開業の匠~Professionals~」では、そんな料理撮影に関するお悩みを解決する為に、プロカメラマン・久保真二さんによる「料理撮影の実践テクニック」を学べるコーナーを設けさせて頂きました。実は私も、以前は飲食店のオーナーであり、美味しそうな写真を撮るために四苦八苦していた覚えがあります。そんな私からの質問に久保さんが答えるかたちで、本コーナーはつくられています。是非、皆様のお店でも実践してみてください!
 
 

「vol.1 湯気の撮影方法」

 

渡辺)ねぇねぇ、久保さん!冬といえば、やっぱり鍋、温かい料理が最高ですよね!でも、写真で温かさを伝えるのって、とっても難しいです。”湯気”が撮影できれば、もっと温かさが伝えられると思うのですが…

久保さん)湯気ですね、任せてください!今回は、鍋の撮影を例にとって説明していきますね。例えば釜飯やポトフなど、あらゆる温かい料理に共通して応用できます。

 

撮影準備

湯気を撮影するには、まず湯気の立ちやすい条件を作ってあげる事が重要ですね。湯気を撮影する環境としては、室温をなるべく下げる事。冬は暖房器具を切って、夏はクーラーでキンキンに部屋を冷やしましょう。少々寒くても我慢ガマン。なぜなら、冬は息が白く見えますが、夏は見えないのと同じ原理だからです。もう少し細かく気象条件(笑)を整えるとするのならば、湿度をなるべく高くしてあげる事です。なぜなら、乾燥した部屋では、水蒸気がすぐに空気に含まれてしまうからです。いつしか学校で習った飽和水蒸気量っていうやつですね。撮影の場所のそばに加湿器を置いたりするなど、なるべく湿度を高くしてあげておくと、湯気も多少粘り強く長く目に見え、撮影もしやすくなると思います。以上の環境が整ったら、いざ撮影です!
 
 久保真二・湯気の撮影方法久保真二・湯気の撮影方法
今回は、室温14.2度、湿度55%で撮影を行いました。
 
 

撮影方法

まず鍋をセッティングする位置ですが、湯気が立つ背景になる色が重要です。黒か、ダークな色がバックになるようにしましょう。撮影場所にある最も暗い色の前に鍋を置くか、ない場合は何でも良いので鍋の後ろに黒系の背景を用意しましょう。湯気は白く半透明なため、背景が明るかったり白かったりすると見えづらいですよね。写真にも映りにくいと言うか、目立たないと言った方が良いかもしれません。いきなり本番撮影というのも、せっかく作った鍋ですので、あまり失敗はしたくないものです。事前に沸騰したお湯だけを張った鍋を、撮影場所に置いてみて、テスト撮影をしてみるのが良いでしょう。 
 
久保真二・湯気の撮影方法
まずは、中身の無い鍋で、テスト撮影を行ってみましょう!
 
さて肝心のお鍋の登場ですが、もちろん出来たてホヤホヤ、熱々の状態で撮影しましょう。蓋を閉じるなどして、湯気をたんまりためておきましょう。準備の整った撮影場所に持ってきて、蓋を開けたら、ひたすら何枚も連写しましょう。湯気の形は七変化です。後からベストな湯気の形の写真をセレクトすれば良いのです。一枚二枚でおさめようとせず、何枚も撮ることをおすすめします。
 
久保真二・湯気の撮影方法
 
もしも、湯気が落ち着いてしまったら、また温め直すことも肝心です。いい写真が撮れるまで繰り返しです。湯気の量の多さにだけこだわらず、具もある程度見える、最適な量の湯気のカットをセレクトしましょう。湯気が多ければ良いというものでもありません。モクモク過ぎて鍋の内容が見えないのも残念です。写真を見て、やけどしちゃいそうなくらい熱そうなものも、相応しくないですね。程よくほんわかと温まりそうな「湯気加減」の形のカットを選びましょう。そのためにも何度かトライ、鍋の蓋を開けた瞬間から何枚も連写で撮る事をお勧めします。
 
ここでワンポイントですが、湯気の背後から、湯気に対してちょっとライトを当ててあげる事です。ライトは何でも構いません。撮影が一人の場合、右手片手でカメラ、左手を鍋の後ろに伸ばしてライトを当てる、というキツイ体勢になってしまいますが、何かで固定セットするなり、誰かに手伝ってもらうと良いでしょう。今回の場合は一人で撮影したパターンです。この際、ライトの光がレンズの中に直接当たらないように、方向に気をつけましょう。また、構図内に入らない位置にセットしましょう。これでさらに湯気の細かい粒が光るので際立つ事になります。
 

久保真二・湯気の撮影方法

今回の撮影ではスマホのライト機能(懐中電灯ライトなど)を使ってみました。他にも懐中電灯や、登山用のヘッドライトなど、身近にあるライトを活用しましょう。

湯気の撮影に関しては以上ですが、補足として追記すると、鍋の撮影の場合、せっかく美味しそうな具が、汁に沈み込んでしまい、何鍋か分からなくなるケースが多々あります。ですから、しっかりと具材が見える様に上げ底して、撮影をして頂ければと思います。但しその際に気をつけて頂きたいのは、薄い汁などの場合、決して底上げのネタがばれないように撮影して欲しいということです(笑)汁の色が薄い時などは本当に「塩対応」かもしれませんw美味しい料理と、美味しそうに見える料理の写真は違いますね。きっとお味はしょっぱいと思います。

 

久保真二・湯気の撮影方法

今回は写真のように、ザルを鍋の中に仕込んで底上げしています。なければ網やカゴ、どんぶり茶碗でもキッチンペーパーで座布団のように底に敷き詰めるのでも何でも方法は良いです。何も適したものがない時は、塩を大量に入れて具を浮かせる、などと言った方法もありますが、物理的には先述の方法が簡単かと思います。

 
 最後に、今回の撮影(3トライ計30枚)から選んだ、湯気の状態ベストショットはこちら!
久保真二・湯気の撮影方法

 

今回使用した機材

カメラ)
Nikon D5500 ダブルズームレンズキット
VR18mm-55mm f/3.5-5.6G使用 焦点距離55mm
カメラの設定)
P(プログラムオート)
ホワイトバランスオート
ISO感度オート
ピクチャーコントロール スタンダード
絞り値f5.6
シャッタースピード1/100秒
 
今回は全てカメラ任せ、オートでの撮影です。バックが暗いため、±ボタンの調光補正で、-1.7にしました。なおピントは湯気ではなく、鍋の具に合わせましょう。説明写真のため三脚を使っていますが、もちろんブレなければ手持ちで大丈夫です。シャッタースピード1/4〜1/15のスローシャッター にすると湯気が流れるように映ります。逆にシャッタースピードを1/60以上に早くすると、モクモク感が出ます。こちらはお好みです。
 
久保真二・湯気の撮影方法久保真二・湯気の撮影方法
ちなみに今回の撮影は、電源を切ったテレビの黒い画面の前で行いました。撮影風景はこんな感じです。リビングにて、湯気はだいぶおさまった後ですが。
 
渡辺)なるほど!まずは湯気が立ちやすい環境を整備すること、そして、湯気を際立たせるための背景づくりや小物使いも重要になってくるのですね!皆様もぜひ、お店の撮影で試してみてください!
 


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