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加藤良子(かとう ながこ)

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加藤良子(かとう ながこ)
千葉県柏市のコワーキングスペースを拠点に活動しているママライター。街の紹介冊子や商店街マップ等を多数制作してきた。その経験とともに発達した触角(食覚?)をフルに動かして、「美味しいお店・素敵なお店」を探し当てるのが特技。最近は1人でも飲みに行けるようになっただけでは満足できず、「誰かを連れて行きたい!」という衝動のもとで足繁く夜の街に繰り出している。1日の3/4を柏で過ごしているのに「愛してるのはガンバ大阪」という謎の自称・飲み食い道楽女子。

Vol.19 企業戦士たちの心のオアシス「ニューカヤバ銘酒コーナー」

time 2018/07/27

Vol.19 企業戦士たちの心のオアシス「ニューカヤバ銘酒コーナー」

「仕事帰りにちょっと一杯」、「すき間時間に軽くひっかけるだけ」。そんなふうに気軽に行けるため、老若男女問わず人気のセンベロ。“1,000円でベロベロに酔っぱらうことができる”ということから、安くておいしい大衆酒場のことをセンベロというのですが、東京のビジネス街の近くには、かなり昔から営業している「センベロ酒場」がたくさん存在しています。今回はそのうちの一つ、50年以上の歴史を持つ茅場町の「ニューカヤバ銘酒コーナー」をご紹介します。縄のれんの向こう側にある“男の憩いの場”をチラッと覗かせていただきました。

大企業の街・茅場町で半世紀続く大衆酒場

東京証券取引所が近いことから、証券会社や大企業の本社が多く立地する日本のビジネスエリア茅場町。半世紀もの間、そこで働く企業人たちの憩いの場として愛され続けてきた大衆酒場「ニューカヤバ銘酒コーナー」は、話題のセンベロの先駆けとも言えます。その歴史ある酒場を伺って、その人気の秘密や、昔も今もほとんど変わらず続いている独特のルールなどを探ってきました。

_mg_7651■ 入口は普通の車庫の奥。知らないとどこに店があるのかわからないのでは? 赤ちょうちんが目印

1964年10月に「ニューカヤバ」はオープンしましたが、酒屋としては明治時代に創業。そこで人気のあった角打ちからの流れで「カヤバ」として店舗を持ったのが現在の「ニューカヤバ」の始まりです。
「父と母(女将)が始めた酒屋は茅場町の別のところで開業していたのだけど、居酒屋という形にする時に、それまで倉庫として使っていたここを店舗にしたんです。だからこんな感じで車庫の奥の方にあるんですよ。ほとんど当時から内装とか変わっていないのですが、東日本大震災を機会に耐震補強工事はしているので大丈夫ですよ(笑)」と女将の娘の服部容子さん。昔から特に店の宣伝などはしていないのに、近隣に勤めるサラリーマンの人たちが代々通ってくれているので、困ったことはないのだとか。自分で見つけて来た方や、誰かに連れられてきた方、それに最近はセンベロブームもあり、ネットで見つけて訪れる方も多くなったとか。外国からのお客様も増えたそうです。
_mg_7537■店内にはお酒のコイン自販機がズラリ!通常、立ち飲みで30人くらいが定員。

『男性専用車両』があってもいいじゃない?


創業53年の「ニューカヤバ」ですが、長く続いてきた中でいくつか独特なルールが生まれ、守られてきました。その一つは「女性の一人客お断り」。ちょっとびっくりしますが、それはお客様にストレスを感じずに落ち着いて飲んでいただくためのルールなのだとか。「女性一人や、女性同士の方が、こんな感じに男性…ほぼオジサンで満員のところに入ってくると、一瞬にして店内の空気が変わってしまうんですよ。そうすると、仕事帰りに力を抜いて飲みにいらしている男性がリラックスできなくなってしまう。なので、初めから『男性専用車両』ってことにしちゃった方がいいかなと。ただ、カップルや男性グループの中に一人だけ女性、という方は例外にしています」と容子さん。いかに自然体で飲める場所であるか、を大切にするがゆえにできたルールなのですね。

_mg_7642■店内はいつも平和なオジサン天国

1杯100円のお酒自販機でセンベロ体験

次に、「店内は全てセルフサービス」であることも長年のルール。それにはオリジナルのお酒自販機の存在は必須となっています。一番古いので店と同じ53年物から、25年物、10年物と新しいというものでもなかなかな年代物。100円で1杯(ウイスキーは200円)というリーズナブルな価格でお酒を提供できるのもこの機械たちのおかげなのです。では、私たちもお酒自販機、体験してみますね!
_mg_7543■右の白い「白波」の機械は酒屋さんが作ったもの。それを元に、青と赤の機械をメーカーが作った

_mg_7545■焼酎の機械は場所をとらない吊り下げ型

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■「ニューカヤバ1964自然落下方式酒販機第一号機」53年の歴史を感じる第一号機

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■第一号機を修理してくれた機械メーカーに頼んで作ってもらった、新しい壁掛けタイプ。デザインもキレイで場所をとらない優れもの

自販機でお酒を購入してみよう!

しかし…自販機にコインを入れる時、ワクワクしてしまうのはなぜでしょう?出てくるものはわかっていても、期待通りにコップにお酒が注入されるのを見ているのも楽しくなります。

 

 

 

_mg_7588■では、コインを入れます!

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■おお、出てきました!あくまでも「コップを置いてからお金を入れてください」と注意書きがあるのを見ると、酔っぱらってコップ置くのを忘れちゃう人も多いんでしょうね

 

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■こちらの日本酒の機械でもやってみましょう!この機械には「ひや酒」か「かん酒」か選べるボタンが付いています

手づくり小鉢料理はあくまでもお酒のアテ

実は日本酒と焼酎をいただく前に、ビールで乾杯していました。ここでは日本酒やウイスキーよりもビールの方が高いんです。そして、酒のアテになる小鉢もセルフサービスで。カウンターに並ぶ小鉢の一品料理(1皿200~300円)の中から選んでその場で購入。自分で席まで運びます。

_mg_7567_mg_7575■通常15種類程度があり、ほぼ定番メニューで、季節や仕入れ状況によって具が変わる。マグロやタコなどの刺身は毎日築地で仕入れている他、近所の豆腐屋の手作り豆腐の冷奴など、材料調達の便利さは茅場町ならでは。人気メニューはポテトサラダや女将の手作りきんぴらごぼう。

_mg_7586■さて、我々もおすすめのきんぴらと冷奴をアテにとりあえずビールから!

セルフ焼き鳥コーナーは究極の大人のエンタメ体験

そして、3つ目のルール「セルフ焼き鳥は4本まで」。セルフで焼く焼き鳥というのがまず面白いですが、なぜ一人4本なのでしょう?
「セルフ焼き鳥コーナーは、父が他のところにあったのを見て、『あれ、いいね』ということで採用したのですが、これがなかなか人気あるんです。皆さん、すごく楽しそうに焼かれるんですよね。ここでも場所を譲り合いながら、いい感じにコミュニケーションが取れているようです。そしてなぜ4本なのかというと、うちは焼き鳥屋じゃないので(笑)焼き鳥を食べたい人は、この後にちゃんとした焼き鳥屋さんに行っていただければと。周りにたくさんありますからね」と容子さんが楽しそうに語ってくれます。実はみんな、焼き鳥を焼いてみたいんですね。
_mg_7553■これが噂のセルフ焼き鳥コーナー
_mg_7611■焼き鳥職人になったつもりで本気で焼くオジサンも。置き方や返すタイミングなど、結構追求しながら焼くと楽しくて、「焼いていると嫌なことも忘れられる」という人も
_mg_7619■「ここまで並べますね」「焦げそうですよ」ここでも譲り合いの精神が求められる

実は小さな器にもこだわりが…

楽しくてすっかり忘れていましたが、食器のことも伺いましょう。こちらの食器をセレクトする時に気を付けていることはどんなことでしょう?
「うちは小鉢や小皿をたくさん使うのですが、大事なのは“ラップがかけられること”。結構和風の皿でスルスルとした表面のものはラップが固定しないんですよ。あと、重ねられるとか、糸尻の部分が安定しているとか、そうして選んでいると案外少なくて。お酒のグラスに関しては、メーカー提供品を使っています。そこにお金をかけちゃうとお酒を安く提供できなくなってしまうので」。なるほど、いかに安く安定的に料理やお酒を提供できるか?が「ニューカヤバ」の器選びの基準になるのですね。

_mg_7572■和柄で料理が映えるもので、サイズ感も同じくらい、でも違う柄。そしてラップがかけられるもの

女将たちのやさしさに包まれている“オジサンたちのオアシス”

黙々と料理を作る女将と、元気でよく通る声で接客をする容子さん。_mg_7645お二人が毎日毎日、変わりなく整えているこの「ニューカヤバ」の環境といくつかのルールは、全てお客さんたちが仕事帰りの少しの時間、気持ちよく過ごして帰ってもらうため。そして50年近く、変わらず居心地の良い空間とお財布にやさしい価格で料理やお酒を提供するためには、努力と創意工夫、そしてやさしさが隠されていることがわかりました。

さて、ここには…私一人や女友だちとは来れないので、お給料日前のオジサンたちと行きたいですね。「炭火で焼き鳥焼いてみたい人!」と言ったら絶対数人手をあげるはずです。


「ニューカヤバ銘酒コーナー」_mg_7647

住所:東京都中央区日本橋茅場町2-17-11
TEL:非公開
営業時間:17:00~21:00
定休日:土・日曜、祝日、年末年始
アクセス:東京メトロ日比谷線・東西線「茅場町駅」から徒歩3分



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