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加藤良子(かとう ながこ)

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加藤良子(かとう ながこ)
千葉県柏市のコワーキングスペースを拠点に活動しているママライター。街の紹介冊子や商店街マップ等を多数制作してきた。その経験とともに発達した触角(食覚?)をフルに動かして、「美味しいお店・素敵なお店」を探し当てるのが特技。最近は1人でも飲みに行けるようになっただけでは満足できず、「誰かを連れて行きたい!」という衝動のもとで足繁く夜の街に繰り出している。1日の3/4を柏で過ごしているのに「愛してるのはガンバ大阪」という謎の自称・飲み食い道楽女子。

いいコト・いいトコ《其の四》 今注目の和食器を求めて…関東が誇る窯元「笠間焼・向山窯」で業務用食器を発注

time 2019/03/22

いいコト・いいトコ《其の四》 今注目の和食器を求めて…関東が誇る窯元「笠間焼・向山窯」で業務用食器を発注

器のことを知りたかったら、産地に行くのが一番!ということで、茨城県にある「笠間焼」の窯元「向山窯(こうざんがま)」を訪問しました。今回は柏の飲食店のスタッフさんが「向山窯」にオリジナルコーヒーカップの制作を依頼するというミッションもあり、一緒に工房の中を見学することに。大きな窯元の工房の中は初めてです。ワクワクしますね!

関東二大陶器生産地の一つ、笠間焼「向山窯」を訪ねて

前回の「国際ホテル・レストランショー」の取材で、「近年の食器の流行はアース&ミックス」だと食器メーカーや卸売会社のバイヤーさんから伺いましたが、各ブースで共通して感じられたのが、“和洋折衷と手づくり感”でした。特に和食器は手づくりのものが多いため、1枚1枚の色柄や形が微妙に違い、それが“味がある”として海外でも人気があるそう。デザインも洋食器のようなシンプルで普段の生活でも気軽に使えるデザインのものが増えているようです。

_mg_8542■今、人気があるのは和洋どちらでも使えて、一つひとつが個性的な器。「向山窯」の作品の中でも人気のシリーズ

世界レベルで人気の高い和食器ですが、関東近郊にある窯元といえば茨城の笠間焼と栃木の益子焼を思い浮かべる方は多いでしょう。今回のいいコト・いいトコでは、笠間焼の窯元「向山窯」を訪問。「向山窯」の代表取締役であり伝統工芸士の増渕 浩二さんに、普段は公開していないという工房を案内していただきました。

_mg_8540■ショップの中はさまざまな笠間焼がズラーリ!!
_mg_8550■タンブラーやカップだけでも実にさまざま
_mg_8546■セレクトショップなどで扱われる商品は、薄くて軽いシリーズが人気
実は今回、「Marche BATON」「THE LIFE」の皆さんが、オリジナルコーヒーカップを笠間焼で作ってもらいたいということで、発注するまでの様子もレポートさせていただくことに。一つひとつ手づくりの焼き物なので、少数ロットでの注文も可能なのだそうです。
_mg_8448■ショップに着くなりカップの研究を始めるマルシェバトンの皆さん

_mg_8562■業務用としては、料亭や外資系ホテルレストランから個性的な器の特別注文が多い

_mg_8559■もちろん、伝統的な図柄の作品もたくさんある

笠間焼の歴史と「向山窯」について

工房をご案内いただく前に、増渕さんが「向山窯」を開くまでのことを伺いました。そもそも笠間焼の成り立ちはいつだったのでしょう?_mg_8490
「笠間焼は江戸時代の安永年間に、現在の笠間市箱田で信楽の陶工の指導で焼き物が始まったとされています。笠間が選ばれたのは、周辺で採取される花崗岩からできる強い粘性と鉄分を持つ粘土が良質な材料となったからです。明治に入っても、笠間は19の窯元があり、日常生活で使われる陶器の産地として知られていました。当時は「かめ」と「すり鉢」を主軸に東日本全土に提供していたんですよ。東の笠間、西の多治見(高田焼)という具合に生活用の陶器を生産する窯は決まっていました。でも、戦後は生活様式も変わり生活用の陶器の需要が少なくなって、笠間焼全体の方向性を変えなければならなくなりました。近年は自由な作風の工芸品として多くの陶芸家が窯元で腕を磨いています」

_mg_8498■左が増渕さん。休憩中の若い工芸士さんたちと一緒に

なるほど、身近でありながら笠間焼のことを知らない方も多いですよね。増渕さんが焼き物の世界に入られたきっかけは何ですか?
「小さいころから何かを作るのが好きでして、工作で鳥かごやウサギ小屋を作ったりね(笑)そういうのを見ていて、親から工芸の道を勧められたんです。父は東京美術学校(現:東京藝術大学)出身で経済産業省の技術職の役人でした。当時の日本では滅びてしまう伝統工芸が無いようにと、伝統工芸を振興させる政策を打ち立てていたのですが、父親は、その政策に基づいて技術の保存や振興のための指導をするために全国各地を廻っていました。そんなこともあって、私にもものづくりの道を勧めたのだと思います。そこで、中学卒業後、愛知県瀬戸市の窯業高校で勉強をして、地元茨城真壁に帰ってきてからは一番近かった笠間焼の陶芸家の元で勉強をして、26歳で独立して「向山窯」を開きました。会社組織にしたのは昭和48年です」。

「向山窯」の笠間焼工房探検!

では、いよいよ工房の中に潜入します!ショップから少し離れた丘の上に工房はありますが、通常は一般公開していないとのことなので、今回は特別にご案内していただきます。貴重な体験ですね。

_mg_8459■まだ粘土が柔らかいの状態の器に「しのぎ」という飾りの溝を刻む

_mg_8509■下書きも無く「しのぎ」を刻んでいく。1周してもちゃんと数が合っているのはさすが匠!

 

 

 


_mg_8457_mg_8464■ここでは分業ではなく、陶芸家それぞれが最初から最後まで自分の作品の作業をしている
_mg_8465■薄造りのタンブラーは、一つひとつ型にクルっと巻いて形を作る。継ぎ目がわからないように成形するのが難しいのだとか
_mg_8470_mg_8477■乾燥させた後に細かな凹凸などをとるために整える
_mg_8494■素焼きして乾燥中

_mg_8493■釉薬を塗って乾燥させ、この後本焼きに
_mg_8491■本焼きをする窯

_mg_8489■こちらも窯

 

 

 

若い陶芸家が多く在席する「向山窯」ですが、いずれ独立を予定している陶芸家が修行するために、ホームページを見て応募してくる人が多いのだとか。

「こうしていろんな方と一緒に仕事をしていると、1人で作品を作っていた時よりもずっと多くのことを学べます」と最近入社した方はいいます。
また、増渕さんをはじめとしてほとんどの方が「伝統工芸士」の資格を持っています。「伝統工芸士」とは、経済産業大臣指定の伝統的工芸品の製造に従事している技術者の中から、高度の技術・技法を保持する人を「伝統工芸士」として認定しているいわば国家資格。
「笠間焼は作風がかなり自由という魅力で全国から若い陶芸家が学びに来ます。後継者を育てることも私たちの使命です」と増渕さんは言います。

オリジナルの器を注文してみた!

一通り工房を見せていただいた後は、見本がたくさん保存してあるサンプル部屋にご案内いただきました。そこには今まで制作してきたもののサンプルがズラズラーっと並んでいる部屋です。
ここでマルシェバトンの皆さんは自分たちの希望に近いものや、気になるものをピックアップ。
_mg_8488■「このカップにこのソーサ―はどうだろう?」一応、来る前に考えをまとめてはきたけれど、いいものがたくさんあると迷ってしまうことも
_mg_8521■「形と色はこれと同じで…」実物のサンプルがそこにあるので、注文が伝えやすい
_mg_8515■作りたいものがはっきり決まり、良い方向にまとまったよう。できあがりが楽しみ!

日本の伝統工芸の技術力を世界に向けて発信したい

形式にこだわらず、自由な発想を伝統技術でつくりあげていく笠間焼。今後はどんな方向に進んでいくのでしょう?
「15年くらい前は笠間焼の事業所は340軒ほどあったのですが、今は250軒ほど。これを維持しようと思ったら、後継者をしっかりと育てて伝統技術を受け継いでもらわないと。そのためには、自分たちがちゃんと事業をより強固なものに、また、少しずつでも拡大していかなければならないと考えています。現在の向山窯の事業3本柱は“業務用”“流通”“小売りとギフト”ですが、そこに海外に直に輸出していくグローバルな展開を加えたいです。ただ、製品が手づくりなので、手を拡げ過ぎても今までのお客様にご迷惑がかかりますから、今のお客様を大事に、少しずつ世界に目を向けていけたらいいですね」と増渕さん。「この火を消さないようにするのが私たちの世代の役目です」と穏やかな笑顔で締めくくってくださいました。
_mg_8567■茨城空港開設記念に作られたカップ。飛行機柄が可愛い

株式会社 向山窯 笠間焼プラザ店 _mg_8530 
住所:茨城県笠間市笠間2290-4
電話番号:0296-72-0194
HP: http://kasamayaki.co.jp
アクセス:JR水戸線「笠間」駅より観光周遊バス「やきもの通り」下車、徒歩5分。
北関東自動車道「友部IC」より4分、芸術の森公園入り口。駐車場:大型車4台・普通車50台



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